元アビリオン株式会社代表取締役 松田元さん |
更新:2006/4/21
文:堀内政彰(法政大学) |
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松田元さんのプロフィール |
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松田 元(まつだ げん)。 1984 年 2 月 11 日生まれ。 高校をわずか3日で中退し、上京。フリーター生活を送りながら、16歳の8月に大検を取得。その後3カ月間の渡米生活を経て早稲田大学商学部に入学する。 |
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松田: (敬称略) |
僕は学生起業家が嫌いです。なぜなら僕も学生起業家だったから。
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今回お話を伺ったのは元アビリオン株式会社代表取締役の松田元さん。
彼はいわゆる 「失敗」 を経験した学生起業家です。
「学生起業家は嫌いだ」 。この言葉には松田さんの、自身の経験から学んだ深い意味が込められています。インタビューの前に、まずは彼がアビリオンを離れるに至った経緯を簡単に説明しましょう。
2005 年 9 月。松田さんは早大在学中に某企業の支援を得て、アビリオン株式会社を設立しました。
事業内容は「フリーター支援事業」。フリーターと社会の橋渡しにチャレンジし、その方法としてフリーターの持つ反骨精神を活かした「起業」という道を提案したのです。それが「フリーター起業塾」という催し。「起業塾」は 2005 年 12 月に新宿のとあるオフィスビルの一室で開催されました。
このユニークな試みに、アビリオンは朝日新聞を始めとした各種メディアで紹介され、一躍脚光を浴びたのです。
しかし 2006 年 1 月。世間の注目度が上がり、さてこれからという時、
松田さんは、アビリオンを離れざるを得ない状況に立たされることになりました。
原因は、アビリオンを支援していた某企業と松田さんとの間での諸事情。それをきっかけに、代表の辞任に至ったのです。
それでは実際に、松田さんにお話を伺いたいと思います。
| さて今、「学生起業」が一種のブームと化していますが、松田さんご自身の経験を踏まえ、その傾向をどう思いますか。 |
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松田: |
僕、基本的に学生起業っていうのがすごく嫌いなんですよ。 |
| きちんとリスクを負うということですか。 |
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松田: |
そうですね。 300 万円、 1000 万円くらい背負えない人間は起業するべきじゃないって思ったりもします。 僕が学生起業家だった頃、やっぱり 1000 万円恐いなぁとか思っていたんですよね。僕みたいにハードルが低い起業をやってみて、大失敗してこてんぱんにやられ、それで学んで、あ、これいかんなって思う人もいるわけですけど。 でもやはり起業を抑制することによって本当に優秀な経営者だけを出すっていう面もありますし、僕は個人的に、若干抑制する流れのほうがいいのかなって思います。 だから、サイバーエージェントの藤田さんの考え方とか好きなんですよね。あの人はちゃんと言うでしょ。 「起業なんかしたらホント胃やぶれるぜ」 って。僕もホントに胃破れそうになったことも、半分鬱になりかけたこともありましたし。そういうことをちゃんと教えていかないといけないですよね。ただ闇雲に起業を煽るだけじゃなくてね。 |
| 「社会への責任を果たし起業をすることが重要」とおっしゃいましたが、それをクリアして学生のうちに起業することは、社会人になってから起業するのに比べ、どんなところが恵まれていると思いますか。 |
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松田: |
「若い!」 それだけですよ。 例えば、商社 10 年勤めました。現役で入ったとしても、それで 32 歳。そこで起業して 2 年経って失敗したら、 34 歳。よっぽどの実績が無い限り、もう職ないでしょ? 21 歳で起業して 4 年経って失敗してもまだ 25 歳。再就活で何とかなりますよ。 |
それに、もし失敗したとしても、その 4 年間から学ぶ失敗の経験ってかなり大きいと思います。「これいけないんだな」って、僕肌で感じてますもの。そういうことを考えると、学生起業とサラリーマン後の起業との大きな違いって、時間があること。若さ、です。 |
| 日本だと、起業して失敗したら「負け組」のレッテルを貼られがちだと思うんですが、その点どう思いますか。 |
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松田: |
確かに社会的な責任を考えないで、その結果いろんな人たちに迷惑をかけたなら、だめですよ。でも、特に若いうちは、人間誰でも失敗はするんだから。失敗した後、失敗をした原因を、ちゃんと理解すればいいと思うんです。 大げさに言えば、 100 回ぐらい失敗した方がいいとも思いますよ。僕の目標は、 10 社くらい会社つぶすことだから。多分そんなことしたら逮捕されると思うんですけど(笑)極端だけど、そのぐらい失敗すればいいと思う、 25 歳くらいまでは。 ほかの誰かが僕のことを失敗だと思うかもしれないけど、無為に時間を過ごしたわけじゃなく、僕はこういう「経験」を得てきたんだ、こういう「学び」を得たんだと、ちゃんと説明できればそれは失敗じゃないと思います。 |
| 松田さんの経営理念とは何ですか。 |
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松田: |
すごくシンプルですよ。経営理念というか人生信念で、 「やりたいことをやる」 。本当にそれだけ。やりたくないことはやらない。その一点に尽きますよ。もちろんね、それは自分が社会に対して果たさなければならない責任っていうものを常に感じている上での話ですよ。好き勝手やるのとやりたいことやるのは違うので。自由にやるということは、常に義務感も付きまといますからね。 |
| 具体的にその「やりたいこと」とは。 |
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松田: |
まぁ短期・中期・長期っていろいろあって。説明すると長くなってしまうのですが、短期だとやっぱりお金欲しいよね。 若いうちに金を稼ぐ経験をしておくって、すごく大事だと思うんですよ。 それで中期的には、余っている労働人材を人が足りないところに流してく人材ビジネスをうまくできればなぁって。 そして 5 年後、 27 歳ぐらいには良い車とか乗りたいな(笑) それにうまいもの食いたいし、リゾートでのんびりしたいし、鎌倉にでかい一軒家を建てたいし。そういう、生理的欲求を満たしたいですね。 ![]() あと、これはちょっと偽善的に聞こえちゃうかもしれないんだけど、やっぱり「いろんなひとに喜んでもらいたい」っていうのが根本的にありますね。 人間って不思議なもので、やっぱり社会的欲求が高いからなのか、認められたいって願望があると思うんです。 認められるっていうことは「必要とされる」ことですし、「必要とされる」ということは「喜ばれる」っていうことじゃないですか。 だからやっぱりさっきも話したけれど、人生信念は「やりたいことをやり続ける」。 やりたいことをできる状況を常に確保しながら、人に喜ばれつつ金を稼ぐことです。楽しく生きたいですね。楽しく。 |
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「やりたいことをやる」。そんな人生信念の背景には、どんな経験が関わっているのでしょうか。 第2章では、「元ヤンキー・フリーター・ニートの三冠王社長」の異名を持つ、松田さんの過去について語っていただきましょう! |
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